植物・生物・人間のエネルギー

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物質とエネルギーがもつ流れを全体をみながら考える

 

酸素は光合成のどういった過程で発生するのか?

O2 CO2は呼吸のどういった過程で生じるのか?

 

包括的にみていこうと思う。

光合成

光エネルギーを有機物科学エネルギーに変換する

 

チラコイドという構造物が葉緑体内にあり、以下の働きが行われる。

光エネルギー

光化学系II(H2Oをとりこみ分解、必要なのは水素なので、いらない酸素を排出する、そういった意味では酸素は捨てている

電子伝達系でATPを産生する(これは明反応と呼ばれる)

光化学系I

 

 

電子伝達系においては二酸化炭素の還元に必要なNADPH2+、ATPを産生する。

もう1つの段階として暗反応といい,NADPH2+とATPを利用して二酸化炭素から種々の糖がつくられる。

これはカルビンベンソン回路に入るが、この回路自体CO2をとりこむことでグルコースを産生しデンプンへと変える。

これらが行われる環境はストロマと呼ばれる。いわゆる葉緑体の中=ストロマである。

 

チラコイド内で光エネルギーを吸収することでH+がどんどん産生し溜め込まれる。

するとストロマとチラコイドの間で濃度勾配(ph)が生じるためH+の輸送が起きる

その際にATP合成酵素を通ってADPとリン酸から1分子のATPが産生される。

これを光リン酸化という。

これらはあたかも人間の構造に似ている。

 

 

呼吸

主にミトコンドリアが登場する。

ミトコンドリアは外膜と内膜があり、内膜にはヒダのようなクリステという構造がある。

内膜で包まれた内部をマトリクスという。

 

グルコース(基質)が入る

↓解糖系が働きATPが産生される

ピルビン酸になる

↓CO2排出→これは炭酸になる(重炭酸):血液が弱アルカリ性になる 細胞の中は酸性

それが崩れるとアシドーシスとなる

アセチルCoA(活性酢酸)となる(同時にHもだす)

クエン酸回路にはいる(マトリクス)(ここではH、CO2、ATPを出す)

産生されたHは電子伝達系に入る(内膜:クリステ)→ATPを大量に出す

O2を取り込み、H2Oを排出する

 

この際もミトコンドリアのマトリックスから膜間スペースにH+が汲み出され,内膜を隔てて濃度勾配ができる

この際は植物と逆で中心より外にH+がたまる

ATP合成酵素を通り、中にH+が入っていく

これらは酸化的リン酸化という。好気的代謝の中心である。

 

これらは呼吸鎖(respiratory chain)という。

解糖や発酵など酸素を必要としない嫌気的な代謝しか行わない生物に比べて多くのエネルギーを獲得できる

 

ここで押さえたいのは脳だけはグルコースしか使えないのである。

他のところは脂質とかタンパク質とかを分解できる

したがって、血糖値が下がって一番先にだめになるのは脳だ。

 

筋肉におけるATPの供給

クレアチンリン酸

(クレアチンリンさん、Phosphocreatine)はリン酸化されたクレアチンで、骨格筋にとって重要なエネルギー貯蔵物質である。ADPからの無酸素的なATPの生成に使われ、2秒から7秒程度の反応時間でクレアチンキナーゼによってリン酸基が外され、クレアチンに戻る。この反応は可逆でATP濃度の調整にも役立っている。クレアチンリン酸は、脳や筋肉など多くのエネルギーを消費する組織で重要な役割を果たしている。

クレアチンは主に肝臓の共同作業で合成され、血流に乗って筋細胞や脳に運ばれ、細胞内に取り込まれたのちリン酸化されてクレアチンリン酸になる。

(wikipediaより)

 

例えば筋肉だが、

白筋は瞬発力があるけどすぐつかれる あまりATPを貯め込めない

クレアチンリン酸が供給してくれる

 

赤筋はゆっくりATPを作りながら動くことができる

 

酸素負債

収縮熱回復熱という言葉がある

収縮熱はなんとなく感覚がわかるかと思うが回復熱は思い当たるだろうか?

遅刻しそうになって走って学校にいってついたら

机にすわってるだけなのに汗がとまらないほど暑くなるやつだ。

 

収縮熱は筋が収縮するときに発生する熱である。

ATP分解酵素がATPをADPに分解する。

このときに放出されるエネルギーがアクチンとミオシンの滑走を起こし、筋は収縮する。

主なエネルギー補充は、ホスホクレアチン(クレアチンリン酸)系、グリコーゲン分解によるエネルギーの補充(解糖系)、有酸素系による補充がある

 

これらはあとから酸素を使う。

運動の時に熱が発生し、エネルギーを枯渇させてしまう。

 

そうして先にエネルギーをつかったあとに

休んでいるとぼーっと熱くなる(回復熱

 

ここで呼吸も荒くなるが酸素を使うからで、それとともに乳酸が溜まってる

乳酸を肝臓で分解してATP産生につなげる

その際の化学反応に熱が伴うということだ。

 

嫌気呼吸

解糖(筋肉;酸素が足りない時)

乳酸発酵(乳酸菌などの細菌、カビの仲間)

アルコール発酵(酵母菌、カビ・ケカビの仲間)

主な流れはこうだ

グルコース
↓ →水素(乳酸やアセトアルデヒドに関係していく)
ピルビン酸 → 乳酸(乳酸発酵)←水素
      → CO2

アセトアルデヒド←水素

エタノール(アルコール発酵)

 

人間は運動すると血糖値がへっていく。

20分くらいすると糖が枯渇するから脂肪を燃やし出す。

だからこそダイエットなどは20分以上運動しないといけないのだ。

そしてあまりに食べないと悪影響が出る。

飢餓になるとエネルギーを作るためにタンパク質を燃やし出す。

つまり筋肉が痩せ細っていくのだ。

これでは本末転倒なのだ。

負のフィードバック

エネルギー産生には肝臓がグリコーゲンの分解を促進する必要がある。

そうすると同時に血糖が上昇する。

すると膵臓が上がった血糖を下げないといけないと気がつきインスリンを分泌するのだ

肝臓は急いで細胞のグリコーゲンを取り込み血糖を減少させようとする。

血糖が低下し、今度は膵臓が「大変だ!血糖が低くなった!」と騒いでグルカゴンを出すことで肝臓がグリコーゲンを分解し始める。

 

これらの負の循環ともいえるフィードバックを繰り返されることで血糖の値は正常値に近づく。

 

体はこのような恒常性の維持を働かせるので運動で血糖が下がり、グリコーゲンを消費するとその後の代償として脂肪が減る。

 

 

このような体の仕組みを知るとダイエット中も自分の体の変化が楽しくなってくるのではないだろうか。

 

長くなってきたのでこれにておしまい。