脳動脈瘤クリップのその後の検査

脳動脈瘤クリップ後のMRA血管描出 UTE MRI
脳動脈瘤クリップ後のMRA血管描出 UTE
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脳動脈瘤クリッピング術後の血管描出を目的とした超短TEシーケンスの有用性

Clinical Usefulness of Ultra-short TE MRA for Follow-up Imaging after Cerebral Aneurysm Clipping

 

脳動脈瘤におけるクリッピングでは術後再発や新生脳動脈瘤破裂の可能性があるため、半年から約1年毎に経過観察する必要がある。リスクの観点からMRAが望ましい。

 

Ultra-shortTEはアーチファクトの低減に寄与する。

またコイルに関するUTEの有用性も報告されている。

 

本報告はUTEで生じるクリップのアーチファクトの特徴を把握し、クリップ症例での有効な使用法を検討している。

 

内容

3T Skyra Phantom-Study

1)クリップは静磁場に垂直に固定

TOF、3DTSE、UTEで比較

2)クリップの向きによる比較

3種類の向き(垂直*2 並行*1)で比較

 

結果

UTEではクリップの低信号を囲むように全周性に高信号の縁取りが出現した。

垂直と並行では軸断面による描出に差が出た。(並行が軽度)

垂直では軸位断によるアーチファクトはクローバ様となった。

 

臨床例においてクリップによる画像欠損体積はUTEがTOFと比べ有意に小さかった(P<0.05)

 

考察

なぜ周囲が高信号となったか

→3DTSEでは複数の再収束パルスが用いられるが、UTEでは極めて短いTEによって位相分散が抑えられ、クリップによる磁化率アーチファクトよりもresonance offsetの影響が優位となったため

なぜUTEのアーチファクトは全周性か

→3D radial samplingを用い、360°にリードアウトすることからresonance offsetが全周性となる。

 

まとめ

クリップ周囲の血管構造をより広範囲に描出することが可能であった。

UTE-MRAに関する報告ではサブトラクションをしたのち、full-MIPとしているが

本邦では8mmSlabMIPとしておりミスレジストレーションがなく有用であるとされる。

クリップの短軸方向はクローバー様のアーチファクトを呈する。

 

日放技学誌.2020.76(2).177-209.

管理人の見解

あくまでTOFを術前に撮影していると思われるため、抹消の経過観察を念頭に通常のTOFをとって、その後に追加でUTEを、範囲をしぼって撮るというのが現実的に最大利益をとりそうである。