SPMを用いたVBM解析における技術的注意点
解析結果に影響を与える因子
・SNRが低下すると測定精度が低下
・空間的歪みが大きいと空間的正規化精度が低下する
・静磁場強度の相違により解析結果は影響される
・信号不均一性の影響で測定精度が低下する
*MRI画像の画質評価項目であるSNR, 画像歪み, 信号均一性が関連する
Voxel-based morphometry自体は年々論文数が増えている。
またSyntheticMRIの登場によりVBM利用が促進されマルチコントラストでVBMができる可能性が生まれた。(まだミスセグメンテーションが目立つ)
VBMにおける問題点
1、真の脳容積を反映していない
→精度を改善する方法は検討できるが確度は直接的に検証できない
2、確度を検証できない脳容積評価ツールを使用しても良いのか?
→比較のツールであるため、精度の高い相対値が得られる事が重要
3、VBM解析で有意差が得られた領域は本当に脳容積が異なっているのか?
→撮像条件の統一が前提となる。
→変性を持つ場合は解析を避けるべき(基底核の鉄沈着も影響がある)
4、ミスセグメンテーションの影響は離れた空間へも強く影響する
→模擬病変により確認された。側脳室拡大による測定結果への影響が全脳に及んだ。
5、T2WIでの解析
→コントラストが変わる影響よりシーケンス特有のSNR, 画像歪み, 信号不均一性の変更影響がつよい。
JJMRM 2019.39.109-116.
撮像条件の固定化が鍵となる
また歪みの改善のオプションや十分なSNRは必要
コイルチャンネルの不調も注意する必要があるだろう。
施設間においては当然参考値にしかならないということだ。