Readout segmented EPIのreadout partial Fourierに関する画質評価
Evaluation of Image Quality of Readout Segmented EPI with Readout Partial Fourier Technique
どんな論文?
Readout Segmented EPI(RESOLVE)はSS-EPIに比べ位相エラーの蓄積による画像歪みを低減する手法である。
具体的にはk空間をリードアウト方向にセグメント化(分割)したマルチショットEPIである。
しかしセグメント化することにより時間がかかってしまうわけだが、リードアウト方向に部分フーリエ法を適用させることで時間短縮できるようになった。
本論文はその部分フーリエによる画質への影響を報告している。
:使用装置Skyra(SIEMENS 3.0T)
評価法(Pararell imaging使用)
SNR:SNRマップ(3回分の平均)
CNR:CNR subtracted RMS法
歪み率:面積法(0に近いほど歪みが小さい)
アーチファクト:プロファイル形状からスコアリング(視覚評価)
結果
・SNR,CNRともにセグメント数を増やすと上昇傾向であり、部分フーリエの程度を強くすると低下傾向にあった。
→ 未収集データの増加が原因
・歪みはセグメント数や部分フーリエの程度に依存しなかった
→ データサンプリングの量に依存しないため。RESOLVEはEcho spaceの長さが重要であるため、データサンプリングはEcho spaceに影響しない。
・過度な部分フーリエはリードアウト方向に縞状のアーチファクトが認められ、部分フーリエが強いほどアーチファクトは増大した。
→k空間上におけるセグメント間の繋がりが悪くなり計算エラー。RESOLVEはセグメント間を若干オーバーラップさせているが、部分フーリエの設定により、ゼロフィルされた箇所で繋がりが悪くなる。(特にk空間の中心に近くなるくらい部分フーリエさせるとアーチファクトは顕著となる)
・一部のセグメント数と部分フーリエの組み合わせにアーチファクトの減少とSNR,CNRの上昇を認めた。
→サンプリングセグメントが、部分フーリエOFFの時と変わらず、結果的にフルサンプリングとなっていた。その上で部分フーリエの設定により未収集データ部分にゼロフィリングとPOCS処理が行われた。フルサンプリングデータに対してPOCS処理を行うと画像をぼけさせるだけの処理となる。結果としてノイズが低減しSNRが高値となった。アーチファクトの減少もボケが反映されている。
POCS処理:projection onto convex sets
ゼロフィリングしたデータをフーリエ変換し画像化し、再度k空間に戻すことでゼロを充填した領域に数値を与えることができる処理
日放技学誌.2017.73(12).1244-1251.
管理人の見解
各セグメント数における過度な部分フーリエはアーチファクトや画質劣化が著しいため、ほどほどにするべきである。
また一部の組み合わせでは一見SNRが上昇するように見えてもボケることもあるので同様のシーケンス構造では必ず検証した方が良い。
装置付随の球状ファントムで十分に検証可能と思われる。
印象としてはセグメント数が7-11、部分フーリエが6/8といったところだろうか(画像と撮影時間をみなければなんとも言えないが)