MRIを元にした患者選択基準 ver1
脳梗塞においてMRIはセカンドチョイスとして活躍する現場が多い。
金属の確認や同意の取得に時間が取られるため、Time is Brainの治療戦略において
相当の意味をなさなければ撮影の意義が消失してしまう。
そこで脳梗塞MRIを取り上げるに当たって、読影の注意点やどの撮影をするかよりもまず先に
MRIを撮る意義として治療選択の基準になるということをお話する。
管理人は脳梗塞が専門なので語ることは多いが、書くことがありすぎるので
最初は簡単なまとめから形成し、後編集で記事リンクを増やしていきたいと考えてるので
参考にする方は度々おとずれていただきたい。
ASPECTS
ASPECTSにおいてはCTとDWI間で高い相関を示す。
DWIの方が読影者間一致率、スコアと予後との相関は良好である。
DWIは明瞭に病変を映し出すため、DWI-ASPECTSはCT-ASPECTSよりも0.43-0.6点低くなる。
従来はASPECTS 7点未満で再灌流療法の適応がないとされてきたが近年は血管内治療の発達によりlow-ASPECTSも適応とする流れがある。
ペナンブラ評価
DWI-highだけでは臨床症状と乖離がある場合にその存在を疑う。
簡便な方法
NIHSSとDWI-highの体積を比較した報告もある。
MRA-diffusion mismatchも一定の有用性
→cross flowやleptomeningial anastomosisの影響を評価できない
詳細な方法
Diffusion-perfusion mismatch:DPMで予後との相関が報告されている。
*このperfusionとはDSCのこと
ペナンブラ評価にmean transit time:MTTが用いられる。
近年はTime-to-maximam of tissue residue function:Tmaxが用いられる。
解析ソフトが使用できない場合においても造影後早期の画像とDWIを比較するだけでもペナンブラ評価が可能とする報告もあり。*この場合T1の方が良いとする見解もある。
ASLはペナンブラを広く見積もる可能性があるが灌流低下域のdetectには有用である。過大評価部位としては動脈支配の境界域に多い。(borderzone sign)
日獨医報.2017.62(2).9-19
管理人より
詳細においては書ききれないためまずは冊子で学んだ内容をまとめた。
今後本記事を巻き込んで増やしていこうと思う。
繰り返すが脳梗塞MRIの知見は膨大である。