Gd-EOB-DTPA造影MRI検査の大腸癌術前転移検索における効率の評価
Evaluation of Efficiencies on the Gadoxetic Acid-enhanced MRI for Preoperative Assessment of Liver Metastases from Colorectal Carcinoma
感度、特異度は患者には理解しがたい指標である
受けた検査の結果が陽性の場合、どの程度の確率で本当に疾病があるのか:できるだけ患者の理解しやすい指標=効率
EOB(複数シーケンス+dynamic, 0.025mmol/kg, 腹部放射線科医2名読影), CE-MRI(複数シーケンス+, SPIO, MnDPDP, gadolinium), CE-CT(Helical, 100-200mL, 多時相), PETを比較した論文
MRI(1.5T),CT(64列), PET(CTとのHybrid)を想定
検査前有病率は20%の設定
True Positive(TP) および negative predictive value(NPV:陰性反応的中度)
EOB-MRI>PET>CE-MRI>CE-CT
TPにおける総陽性数(TP+true negative(TN))に対する割合(PPV)
EOB-MRI>CE-CT>PET>CE-MRI
false negative(FN)
EOB-MRI<PET<CE-MRI<CE-CT
(一番高いCE-CTと一番低いEOB-MRIは10倍の違い)
TN
EOB-MRI>CE-CT>PET>CE-MRI
TNにおける総陰性数(TN+FN)に対する割合(NPV)
EOB-MRI>PET>CE-MRI>CE-CT
FP
EOB-MRI<CE-CT<PET<CE-MRI
肝転移患者1例を発見するためのコストはPETが最大でCECTが最少
検査前有病率により順位は変わらない
EOB-MRIは肝転移の正確な検出と少ない見逃しに最も優れた検査法であることがわかる
まとめ
・肝転移の有無を判定する能力が一番高い検査はEOB-MRI
–検査結果が陽性の場合、実際に転移がある割合は83%(PPV)
–陰性の場合、実際にない割合は99%(NPV)
–転移を見逃してしまう割合は0.3%
–転移が実際ないのにあると判定される割合は17%
・他の検査(CE-MRI, CE-CT, PET)は診断能が劣る
・肝転移を有する患者一人当たり診断に要する金額は4つの中で2番目に高い
日放技学誌.2018.74(1).29-37
非常に興味深い内容でした。
患者にわかりやすい指標となりえそうです。
全ての検査で指標をだして、アップデートが重ねられればいいですね。
しかし1.5T限定であったり、PETの諸条件が曖昧なのでそこら辺がクリアになることも今後望まれます。